ヴィニェーティ・コスタクルタ (ゲンメ)CATEGORY

【ワイナリーと造り手について】
造り手のグイード・コスタクルタはミラノのデザイン専門学校を卒業後、広告会社などでアート・ディレクターやグラフィック・デザイナーとして働いてきた。その間グイードは自身のワインの世界への情熱を発見し、ソムリエのコースを受講、イタリア各地のワイナリーを訪問してきた。アルト・ピエモンテを
初めて訪れたのは、2017 年のことで、それ以降何度か散策に来ては、この地域の(ワインの)ときに忘れられてきたポテンシャルに興味を持つようになる。アルト・ピエモンテは 19 世紀の終わりには、ランゲやロエロよりも広い、40000ha のブドウ作付面積があった。イタリアの近代化の流れの中で多くの農家が工場へと働きに行くようになり、現在の作付面積は 5000ha ほど。耕作放棄地となった畑はすべて雑木林に戻ってしまった。
本格的にブドウ畑を探し始め、ブドウ畑はあまり良い状態とは言えなかったが、まずはワインメーカーとして第一歩となる 0.5ha のゲンメの畑を 2018 年に購入する。そこから少しずつ畑を購入したり、新しくブドウを植えたりしながら、現在ゲンメに 2ha、シッツァーノに 1ha の畑を所有する。上述の通り再興の始まったばかりの地域でもあり、グイードの畑も彼が植えた若い畑ばかりなので、ストラクチャーが出てくるにはまだ時間がかかるかもしれないが、丁寧な抽出を感じるテクスチャーのあるワインを目指す。
アルト・ピエモンテは降水量が多く、湿度も高いため、病気の対応にはビオロジック栽培では認可のされていない農薬を使っているため、ビオロジック栽培ではない。ワインのコンセプトと、ワイナリーの企業方針がホームページ上でも明確に提示されているあたりの前職での経験が活かされていることが見て取れる。現代の新しいワイナリーらしい、とも言えるだろう。
・エチケットや梱包について
ティンタウニータとメッツァティンタに描かれた葉の模様は、年によって異なる。それぞれのヴィンテッジが他のヴィンテッジと異なるように、それぞれのヴィンテッジがユニークで特別なイメージを表現している。
ボトルは生産と輸送にかかる環境コストをできる限り抑えるため、重量の少ないガラス瓶を採用しており、ボトルのガラス、スクリュー・キャップのアルミニウム、ダンボールもリサイクル可能なものを使用。
【畑と栽培について】
ゲンメとシッツァーノの土壌は、モンテ・ローザから何十万年も前に運ばれてきた河川氷河によって形成されている。降水量は多く年間 1100mmほどで、北イタリアの北部を横切るポー川の支流であり、アルト・ピエモンテを縦断するセージア川流域では米の栽培もおこなわれる。またイタリアとしては非常に珍しい酸性土壌急激な気温の変化という特殊な気候風土も相まって、ブドウと各ヴィンテッジの組み合わせがもたらす特徴を表現したワインを造ることができるとグイードは考える。ブドウ畑の管理では、総合的な害虫管理のアプローチに従い、化学的な除草を避け、リュットレゾネで畑を管理。植え付けから始まる畑での作業の多くは手作業で、収穫も小さな木箱で行う。
◆ネッビオーロ "コビアンコ"
ピエモンテの苗木屋からネッビオーロの苗木を購入する場合、20~30 のクローンが選べるらしいが、そのほとんどはランゲのエリアから選別されたもので、必ずしもアルト・ピエモンテの気候と土壌に即しているわけではない。その中で唯一アルト・ピエモンテのクローンとしてカタログに載っていたのがコビアンコと呼ばれるクローンだった。このクローンの特徴のひとつは、房の大きさが中程度で果肉に対して果皮の比率が高く、アントシアニンとフラボ
ノイドの量が多い一方、リンゴ酸の量が少ないという特徴がある。雨の多いエリアで凝縮感があり、抽出もしっかりとできるよう選別されたクローンなのかもしれない。畑の樹齢については、グイードが最初に購入した 0.5haの畑は 1980 年代の植樹だが、それ以外はグイードが開墾して植樹をしたものがほとんど。

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